デイミアン・チャゼルの『セッション』、クエンティン・タランティーノの『ヘイトフル・エイト』、ザック・スナイダーの『ジャスティス・リーグ』、ギレルモ・デル・トロの『パシフィック・リム』など錚々たるハリウッドメジャー作の音響で活躍してきたローレン・ハダウェイによる満を持しての初監督作。大学時代にローイング（ボート競技）に自ら没頭した体験を基に作り上げられ、自身で脚本と編集も担当。『セッション』×『ブラック・スワン』を彷彿させるダークで強烈でスリリングな傑作が誕生した。斬新なショットと編集、弦楽器を中心とするアグレッシブな劇伴も相まって、観る者を息もつかせぬクライマックスへ導いていく。
主演は『エスターファースト・キル』のイザベル・ファーマン。撮影前の６週間、毎朝４時半に起き、１日６時間の水上トレーニングを行って、過酷な撮影に耐えられる精神と肉体を手に入れたファーマンの妥協のない迫真の演技に、第20回トライベッカ国際映画祭において主演女優賞が贈られた。本作は同映画祭で作品賞と撮影賞も受賞。
新入り、初心者のこと。スポーツ分野においては競技者の分類として使われ、一定のランクに達していない初心者のことを指す。
「困難だからこそ挑戦するのだ」J.F．ケネディの言葉を胸に、アレックスは大学女子ボート部の門を叩く。猛烈に練習に励み、スポーツ万能な同期のジェイミーにライバル心を燃やすアレックス。上級生のケガでレギュラーの座がひとつ空いた時、その座を巡って熾烈な争いが繰り広げられる。レギュラー入りで得られる奨学金がどうしても必要なジェイミーは画策に走り、その座を奪取。出し抜かれたアレックスは雪辱を果たそうとするが、その強すぎる執着心は次第に狂気を帯びていく…。怒涛のラスト8分間、激しい雨が降り、雷鳴轟く夜明け前、シングル艇に乗ったアレックスの暗くて熱い思いが炸裂する！
1989年8月25日、テキサス州ポッサム・トロット生まれ。10代の頃に偶然観たクエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』(2003)から、大きな影響を受け、映画監督を志す。サザンメソジスト大学でビジネスと映画をダブル専攻して卒業、音響デザインのキャリアを極めるためにロサンゼルスに移住。その3年後には『ヘイトフル・エイト』(2015)のダイアログ監修として、尊敬するタランティーノと共にレコーディングスタジオ入りを果たした。音響編集とミキシングで、『パシフィック・リム』(2013)、『セッション』(2013)、『不屈の男 アンブロークン』(2014)『ダイバージェントNEO』(2015)、『死霊館 エンフィールド事件』(2016)、『ジャスティス・リーグ』(2017)など、多くの大作長編映画に携わっている。2016 年、彼女は長編映画の脚本を書き監督になることを自らに課し、『ノーヴィス』を完成させた。本作は2021年のトライベッカ映画祭でプレミア上映され、最優秀米国長編劇映画賞を受賞したほか、イザベル・ファーマンとトッド・マーティンがそれぞれ最優秀女優賞と最優秀撮影賞を受賞するなど、批評家からも高い評価を得た。2018年には映像業界のLGBTQIA+コミュニティを支援するアウトフェストが主催するアウトフェスト脚本ラボのフェローを務めた。
ウォルト・ディズニー・カンパニーの当時の会長ディック・クックの下で働いたあと、自身の会社ピクチャー・ムーバーズを創設し、エグゼクティブ・プロデューサーとして活動。ハイネケン、NFL、ヴァージン・ギャラクティック、Ebay、フェラーリ、ワヌ・ウォーター、ハーマン・インターナショナル、アルティメット・イヤーズなど、一流ブランドの何百ものコマーシャルを企画・制作。ミュージック・ビデオの分野では、ドレイク、ポスト・マローン、ベッキー・G、ジェームス・アーサー、カイゴ、今市隆二、サブリナ・カーペンター、キャッシュ・キャッシュ、ブレット・ヤング、リアム・ペイン、フレンチ・モンタナのプロデュースを手がけ、ザック・ブラウン・バンドと共にCMTアワードのビデオ・オブ・ザ・イヤーを受賞した。映画では、単発ロマンティック・コメディ『The Wedding Party』(Netflix)など、4本の長編映画をプロデュースしている。
コンサート音楽や映画音楽の作曲家。最近の主な映画音楽は、2020年アカデミー賞オリジナル作曲賞候補に選ばれた『フェアウェル』（監督：ルル・ワン）、ニコール・キッドマン主演『エクスパッツ ～異国でのリアルな日常～』（監督：ルル・ワン）、『思い出で綴る物語』（監督：タラ・ミーリ）、『グッドナイト、マミー』（監督：マット・ソーベル）などがある。
1997年2月25日、アメリカ・ワシントンD.C.生まれ。7歳の時に、カートゥーンネットワークの『Cartoon Friday』に出演。2008年、『ゴースト～天国からのささやき』での演技によって、ヤング・アーティスト賞にノミネートされた。翌年2009年、製作会社アッピアン・ウェイを率いるレオナルド・ディカプリオに見いだされ『エスター』の妖艶な少女役でブレイク。2012年の大ヒットを記録した『ハンガー・ゲーム』のキャストにも加わった。2022年には『エスター』の続編で、撮影当時23歳のイザベルが10歳の少女を演じるという難役をこなし、大絶賛された。直近ではケビン・コスナーが監督と主演を務め、4部作となる予定の大作『Horizon: An American Saga』に出演。
イザベルは『ノーヴィス』撮影前の６週間、毎朝４時半に起き、１日６時間の水上トレーニングを行ったが、その数か月前にはLAからラスベガスまで6人のランナーで340マイル（547,177km）を走るリレー・レース“スピード・プロジェクト”にも出場。その時の経験が本作での撮影にも生かされている。
1994年5月13日、ドミニカ共和国生まれのニューヨーク育ち。ランウェイモデルとして、ヴェルサーチ、フェンディ、マイケル・コース、オスカー・デ・ラ・レンタ、プラバル・グルン、ブルマリン、ジェレミー・スコット、トリー・バーチ、マーク・ジェイコブスなどのショーに出演し、MODELS.comでは現在、世界のトップ50モデルにランクインしている。本作が映画デビューとなり、主人公アレックスのガールフレンド“ダニ”として重要な役を演じている。ライアン・マーフィー監督の『HALSTON』(Netflix)にレギュラー出演中、70年代のトップ・スーパーモデルの一人、パット・クリーブランド役を演じている。また、ジェシカ・チャスティン、ピーター・サースガード主演のファミリードラマ『MEMORY』、ヒラリー・スワンク主演のミステリー・スリラー『GOOD MOTHER』にも出演。
1995年8月6日 、カナダ・オンタリオ生まれ。幼少期からバレエをはじめ、その後ミュージカルや舞台に興味を持つようになり、10年間舞台に立ち続けた後、映像作品への出演を希望し、エージェントと契約した。『Coda コーダ あいのうた』は2021年のサンダンス映画祭で大ヒットを記録。また、HBOのジュリアン・フェローズ監督による期待のシリーズ『ギルデッド・エイジ -ニューヨーク黄金時代-』にもレギュラー出演している。エイミーは『ビューティフル・ボーイ』でスティーヴ・カレルやティモシー・シャラメと共演し、CBSフィルムの『アトラクション』では主演を務めた。アレクサンドラ・ダダリオ、マディ・ハッソンと共演した『サモン・ザ・ダークネス』はNetflixでトップ10入りを果たした。
